モンゴルの民族芸能の 素晴らしさを知る
モンゴルの民族芸能であるオルティンドー (民謡)、 ホーミー (喉歌)、馬頭琴、 ビイビイレゲー舞踊などはユネスコの無形文化遺産に登録されている。
オルティンドーとホーミーどの国の民族にも伝統的な芸 術は民族・部族の生活や習慣、世界観の特徴に深く根差し ている。モンゴル人の音楽好きな性格の原点は何といって もオルティンドーとホーミーにある。モンゴル人のよりどこ ろであり、彼らが自然を崇拝し、 人類社会を深く探求する世 界観の秘密を音楽を通して理解する際には、 ホーミー、オ ルティンドーが手掛かりになる。 ホーミーを聴くと遠くの山 脈の風景、水や風の音、動物や鳥の鳴き声、人と自然が一体 となり、心の中の世界が開かれていくような気がする。ま た、馬頭琴の調べは見渡す限りの草原が目に浮かび、オル ティンドーの自由でのびやかな旋律は心の深いところを揺 さぶり、時間や日々の暮らしを忘れさせる。 オルティンドー とホーミーを聴くには、劇場では狭すぎると感じるだろう。
コントーションと民族舞踊 ウランバートルを訪れた人が必ず見るべきもう一つのも のは、コントーション (軟体芸) である。 昔から皇帝や貴族 の宮殿で祭りや祝いの席で少女や女性が仏像の荘厳さ、 生き物の形や動き、美しい模様をまるで関節がないかの ように柔軟な身体で表現する芸だ。
一方、モンゴル舞踊の美しい形、モンゴル人の心の動きを 表した民族舞踊とビイ・ビイレゲー舞踊も忘れることはで きない。中央ハルハ地方の舞踊にはモンゴル人が大切に する心、相手に尊敬を表す動き、 優雅でしなやかな動きが もとになっており、一方西部モンゴルの部族の舞踊には手 と胸の早い動き、肩を揺する動きなどが強調される。
モンゴル舞踊、ビイビイレゲー舞踊、軟体芸に合わせて 馬頭琴の演奏とオルティンドーとホーミーを歌う驚くべき パフォーマンスをぜひ見てほしい。